質問:犬山犬先生へ。金銭管理とスケジュールは、自立するために大切なものと思っています。今年からお小遣い制にする予定です。そこで質問です。恐らく数の概念や量の理解はしてない娘がいます。筆算と100玉そろばんで計算は出来ています。もし、買い物するときは計算機をもたせた方が良いですか?
犬山犬:とても熱心なお母さんですね!感心します!なので、ちょっと長い解答です。(^^)/
質問への回答です。買い物に関してですが、買い物学習には大きく分けて2つのケースあると思います。
ケース1「買い物の流れを経験させたい場合」
これは、買い物というものがどのような行動を指すかを知る学習です。いわゆる商品をとる→商品をレジに持っていく→お金を払う→(お釣りをもらう)→商品を受け取る→店を出る ということを学ぶためのものです。
この場合は、お金を払うという行為は「お金」という内訳のない単語にギュッと収められて、そこに多い少ないという価値はありません。
いわゆる「なんでも千円出して、買い物をする。」ということですね(流れの理解)。
ケース2「お金の価値を理解させたい場合」。
これは、お金の合計額と商品の値段を比較して、どちらが上かの判断を学ぶということです。数概念がしっかり成立できていればなんの問題もなく、比較ができると思いますが、まだあやふやであれば、提示されたお金の金額をまず知ることから初めて、比較できるまでに経験を積む必要があります。
この比較ができるようになって、初めてお金の価値を認識し「買えるか買えないか」が判断できます(等価の理解)。
多分意図として持っておられるのはケース2の方でしょう。
これを踏まえ、ご質問の計算機か100玉そろばんか・・・ですが、もちろん計算機です。100玉そろばんは、持ち運べませんし、買い物には不適です。
また、それ以上に大事なのは買い物の経験をたくさんたくさん積むことではなく、確固としたお金を数える力(電卓を含む)を身に着けて、それを基に、値段と手持ちのお金を比較する力を養うことです。その力がついてから、実践として買い物にチャレンジしてみてください。
それでないと、買い物の成否の要因を「店員の顔色」「財布の中の硬貨の数」「お札の有無」「選んだ商品の姿や色」などに求めることになると思います。人によっては「買い物をしたタイミング」なんて人もいるかもしれません。
買い物はものすごくややこしく難しいものです。もちろんケース1のことも重要な学習です。そのため、ケース1の試行で買い物に対して恐怖感を軽減しながら、いつかケース2に踏み込めるためにコツコツと学習を進めてください。