Plan-Do-Check-Actionに基づいてのアセスメントの一つとして発達検査を実施し日々の実践に活用しています。検査で子どもの何がわかるのでしょうか。わざわざ実施する意味はどこにあるのでしょうか。アセスメントとしての発達検査の意味や意義をご一緒に考えていきたいと思います。(アセスメントとは、子どもについての情報をいろいろな角度から収集して,それらを整理・分析して子どもの状態像に迫っていくプロセスのことです。)
子どもを理解し指導計画を立てるためのアセスメントの方法として,大きく分けて「観察法」「情報収集法」「検査法」の3つの方法が考えられます。
「観察法」は、文字の通り日常の子どもの様子を観察し、記録を取って子どもを理解していく方法です。「情報収集法」は、親からの聞き取り,成育歴,出身校からの記録,元担任のお話し・・など、その子を取り巻く環境や関わってきた人から,その子の情報を収集していく方法です。そして「検査法」は,発達検査や心理検査から本人の客観的なデータを出すというものです。この3つのどれも大切です。「検査法」だけが秀でているということは決してありません。
医者が診断を出すときも,検査の結果だけで判定しているわけではなく,この3つを必ず使っています。子どもに対する教師や親の勘は割と当たります。なぜならそれはその勘がそのお子さんと日々接してきた膨大な時間や,身体接触の圧倒的な距離の近さから来ているからです。経験と勘,これらは決して捨てたものではなく,子どもと日々接しているからこそ得られる感覚は大事にするべきだと思っています。
しかし日々の取り組みの中で、「友だちとのトラブルが絶えない。」「何度言っても同じ間違いを繰り返す。」「落ち着きがない。」などの悩みは,日常の行動観察だけから検討するのが難しいことがしばしばあります。
その理由は,発達障害を持つ子どもには知的な側面,認知,情報処理の過程などでアンバランスがあることが多いからです。検査ではその子どものアンバランスを明らかにしていきます。ですから検査結果には支援のヒントがつまっています。